“こうすればいい”を手放したとき、相手が動き出す
最近、コーチングを学ぶ中で、あらためて「人の見方」について考えさせられることがありました。
私は長年、経営支援の現場で多くの方と向き合ってきましたが、気づけばつい心の中で
「なぜこんな簡単なことができないんだろう」
「本当のことを言っているのかな?」
と、評価や疑いの目で相手を見てしまうことがあります。
しかし、コーチングでは、この「評価の目」を「観察の目」に変えることを大切にします。
相手を「できていない人」と見る代わりに、
「この人はいま、何を大切にしているのか?」
「どんな思いで、この言葉を選んでいるのか?」
と、興味と尊重の気持ちで観察するのです。
そう意識してみると、不思議なことに相手の表情や空気感が変わっていきます。
防御的だった会話が、少しずつ柔らかくなり、
相手自身が「考え始める」瞬間が生まれるのです。
また、私はよく「こうすればいい」「ああすればいい」と結論を急ぎがちですが、
それを少し抑えて「どうすれば良いと思いますか?」と問いに変えると、
相手の中から答えが出てくるのを感じます。
この変化を体感したとき、コーチングの本質は“技術”ではなく“姿勢”だと実感しました。
経営者も、上司も、親も、みな“人の成長”に関わる立場です。
評価よりも観察を、指示よりも問いを。
そんな関わり方を少しずつ増やしていけたら、
組織も人間関係も、もっと健やかに動き出すのではないでしょうか。
今日の学びを、私自身へのリマインダーとしてここに残します。
「評価せず、観察する」「結論よりも問いを」。
この一呼吸が、きっと次の一歩を変えていくと信じています。

